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2014年6月23日 (月)

「医療・介護総合法」の成立で、私たちの命の切り捨てが加速される!!

「医療・介護総合法」で、私たちの命の切り捨てが加速され、医療・介護難民が増大してしまう!
法人税引き下げ・企業優遇ではなく、国民の生存権を守れ!

はじめに

 6月18日、「医療・介護総合法」(地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律)が、参議院の本会議で強行採決、可決されてしまいました。この法律は、まさしく「医療・介護コスト」の削減を目的としています。昨年の臨時国会で強行採決された「プログラム法」持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革推進に関する法律)を具体化する第一ステップとなるものです。この法案は、医療(病院)から患者を追い出し、介護保険の支援を制限し、家族へ介護負担を強いて、地域任せにするものです。どんどん公的な支援を削減し、「自己責任」「自立」を基本とされる方向に具体化させる法律です。
 政府は、消費税増税で社会保障の充実させるのではなかったのでしょうか?安部政権は、この法律だけではなく、まだまだ社会保障の削減をしようと奔走しています。骨太方針では、都道府県ごとに医療費の数値目標を作って医療費削減にしようとしています。政府は、「2025年問題」と称して、医療・介護費用が膨らむからといって医療・介護のコスト削減を当然のことのように勧めています。しかし、安部政権の成長戦略では、法人税率を引き下げ、企業優遇、大型公共事業への大盤振る舞いしているのはどういうことなのでしょう?企業に回すお金はどんどん増やし、国民の生存権の保障はないがしろにする。このようなことが、どうして許されてしまうのか!断じて許してはなりません。

 それでは、「プログラム法」すなわち「公助ではなく自助・自立」を具体化する第一ステップとして成立した「医療・介護総合法」について、以下の順番で見ていきます。
 1 病院から追い出し医療費削減  2 介護保険制度は、利用枠削減し利用料負担増    ~介護支援から追い出される~  3 地域包括ケアシステムの推進が、公的責任は放棄された形ですすめられる!    ⇒地域・民間・ボランティア任せ、医療・介護の営利化促進へ

1  病院から追い出し医療費削減

「高度急性期」「一般急性期」「回復期」「長期療養」の4区分

 政府は、医療費を削減しようと奔走し、「病院の病床数をコントロール」をしようとしています。具体的には、病院の病床を「高度急性期」「一般急性期」「回復期」「長期療養」の4つに区分し、都道府県に権限を負わせて、地域ごとの病床数を決めて削減することをこの法律で決めました。地域ごとに会議体を設けて病床数コントロールを話し合い、病院には報告義務を課す。しかも従わない病院にはペナルティを課すなど強制的に進めるものです。「高度急性期」の病床を、現在の約36万床から、2025年には18万床まで半減させようと目標値まで出されています。
 「高度急性期」の病床は、医師・看護師などの配置が多く手厚い医療が受けられるようになっています。ですから人件費もかかり医療費が高くなります。医療費を削減したい政府としては、手厚い医療(病床)を減らすこと、これが手っ取り早いということなのでしょう。政府は、人口に対しての病床数がより多い自治体は、医療費も多くなっているというデーターも出しています。高度急性期の病床だけでなく、他の病床も含めて全体的に病床を減らしたいのです。すなわち病院から患者を追い出そうというのが、政府の考える医療費削減策なのです。
 急性期の患者さんが回復していないにもかわらず、一般病床に移され、看護師など配置体制の少ない、より劣悪な環境に置かれることになる可能性があります。看護師など職員の労働強化にもなり、医療事故にもつながりかねません。また、治ってもいないのに、ある一定期間で病院から追い出されてしまうことになる危険性もあります!さらには高度急性期病床を減らすことにより、「119番しても、たらいまわしにされてしまう」という問題も、状況が悪化しかねません。 

診療報酬改定と同時並行で進む病床再編成

 この法律とは別に、先行して診療報酬改定による病床数のコントロールも進んでいます。今年の
 4月からの診療報酬改定で、急性期病床の絞り込みをする方向での改定が行われました。診療報酬改定に際しては、政府は「高度急性期」から「一般急性期」への移行を、現在の約36万床から2年間で27万床にしようとの計画を出しています。診療報酬の改定されたことにより、病院経営としては、急性期病床など人件費のかかる採算の合わない病床を減らし、人件費のかからない病床へ変更していくことを選択していくようになります。政府は今までも、診療報酬の改定をすることで病床コントロールを繰り返し行って来ていました。
 政府は診療報酬改定だけでは満足できず、今回の「医療・介護総合推進法」では、もっと強制的にコントロールできるようにしてしまったのです。政府の骨太方針では、さらに医療費削減の数値目標を都道府県ごとに設け、診療報酬改定で先行させ強制的に実施しようとしています。

国民自らが医療受診を控えるよう義務づける

 「医療・介護総合法」では、医療法第6条の2に「国民は…医療に関する選択を適切に行い、医療を適切に受けるよう努めなければならない」との項目を追加しています。すなわち、医療にかかることを自主的に控えるよう義務づけているのです。病気になれば必要に応じて病院に行くというのは当然のことです。具合が悪いから・不安だからいろんな理由から、必要性があって病院に行っているのです。それを「適切に受けるよう努めなければならない」とはどういうことなのか。例えば、風邪をひいてもそれは自己責任だから病院に行かないで自力で治しなさい!というのでしょうか?風邪の症状一つでもいろいろあります。こじらせて肺炎になる、実は結核の症状だった、などいろいろです。病院にかかることを控えて重症化してしまう危険性もあるのです。このような条文が、法律に載せられることそのものが異常な事態・危険な事態ではないでしょうか。

介護保険制度は、利用枠を削減し、利用料負担増
 ~介護支援から追い出される~

介護予防サービスの「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」(ヘルパー派遣と通所デイサービス)が介護保険制度からはずされる。2017年度までにすべての市町村で行う義務化!

 介護保険制度では、介護保険で利用できる介護支援の利用枠の制限や、利用料をアップすることで介護保険の利用を制限する方向に動いています。すなわち、介護保険を利用できないようにして、支援から追い出すことで国の負担を削減しようというのです。
 まず、介護保険の利用枠制限として、「要支援1」「要支援2」の方が利用しているヘルパー派遣や通所デイサービスを介護保険の制度からはずすことにしています。介護保険からはずして、地域の自立支援事業として、2017年度までにすべての市町村で行うように義務づけがされています。現在約150万人が「要支援1」「要支援2」と判定され、介護予防のヘルパー派遣やデイサービスの認定を受けています。これを介護保険制度では利用できなくしてしまうのです。
 地域のNPOやボランティアに頼った運営が想定されています。地域に丸投げされ、地域格差をまねくものとして大きく問題になっています。また、ボランティアなどを活用するとなると、介護労働者の賃金低下にもなりかねません。現在、介護職員の月給は、全産業の平均を9万円も下回ると言われています。介護労働者が劣悪な労働環境におかれ、低賃金で酷使され介護現場が悲鳴をあげています。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の利用制限!2015年4月実施!

 さらに介護保険制度の利用枠制限として、特別養護老人ホームへの新規入所者を要介護3以上の方へと限定しています。2015年4月から入居される方から対象となります。相対的に介護度が低い要介護1や要介護2の人は、「やむお得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難であると認められる場合のみ」とされています。具体的規定はなく、実質的に要介護1・2の方は特別養護老人ホームが利用できなくなってしまうことになってしまいます。現在、特別養護老人ホームの入所者の約1割が要介護1・2の方です。認知症で徘徊が始まり日常生活の見守りが必要な方も含まれます。このような方が、特別養護老人ホームから閉め出されてしまうことになるのです。特別養護老人ホームは、低所得者でも所得に応じた利用料となっており、経済的な困難な方でも平等に利用できる施設です。低所得の高齢者の行き場がなくなり、介護難民が増大する危険性があります。

利用料のアップ!2015年8月実施!

 次に、介護保険の利用料をアップによる締め出しについてです。1つ目に、一定所得以上(年金収入で280万円以上)の人は、介護保険の利用料の自己負担を1割から2割に引き上げるとされています。1割の現状であっても、経済的理由により必要な支援が受けられない人が多くいます。2割にしてしまったら、もっと利用を控える人が増えるでしょう。また、一定所得以上の人に限定付きで2割としてはじまっても、どんどんその基準が下げられる危険性があります。
 2つ目に、介護保険利用料の自己負担した部分について還付される「高額介護サービス費」も一定以上の所得があると引き上げられることになります。今は、一般課税世帯では3万7200円のところを、年収383万円以上ある人は、4万4400円に引き上げられます。利用料の自己負担が1割から2割に、そして高額サービス費のアップとなると、必要な支援でも利用しないように自ら控える方向になってしまいます。こうして介護保険を利用しない方向に持っていこうというのです。
 3つ目に「補足給付」の資産要件がつけられるとされています。「補足給付」とは、低所得者の施設入所者に対する居宅費・食費負担の軽減、すなわち特別養護老人ホームなどの利用料補助のことです。今までは、所得に応じての対応でしたが、「資産要件」すなわち預金や土地・証券などの資産も加えるということです。資産要件の具体的な数字は、現時点では「単身で貯蓄1000万円以上、夫婦で2000万円以上」という基準が出されています。しかし、その他の資産も検討中とされています。例えば、貯蓄がないけれども持ち家を持っていることで、補助を受けられなくなってしまうことになってしまうかもしれません。「資産」については本人申告で開始するとされ、不正受給には給付額の2倍のペナルティーということが盛り込まれています。ただし、’15年10月には、「共通番号制度法」の施行も控えており、これとの連動も予測されます。共通番号制度で、政府が資産も管理できるようになってしまえば、強制的な資産調査も可能となるでしょう。このようなことの布石なのかもしれません。

地域包括ケアシステムの推進が、公的責任は放棄された形ですすめられる!
 ⇒地域・民間・ボランティア任せ、医療・介護の営利化促進へ

地域への押し付け。地域格差。医師・看護師・介護者がたりない

 地域包括ケアシステムの推進というと、「地域でのサービスが充実するのでは」と期待される人もいるかもしれません。しかし、政府は、地域包括ケアシステムの充実をするための公的予算をつけようとは考えていません。それどころか、地域のことは自治体任せで、自治体の多くは悲鳴をあげています。地方議会210カ所からも既に異議申し立てが出されたぐらいです。
 在宅訪問を実施している医師・看護師は足りない現状で、病院から追い出された患者が見てもらえる医師がいない現状があります。そのような現状であるのにかかわらず、今年4月の診療報酬改定では、訪問診療費用を72%(患者1人当たり最高額で5万3000円/月を1万5000円に)も引き下げられてしまい、訪問する医師が激減しているところです。
 病医院からの追い出し、早期退院が押し進められ、患者さんが在宅に戻ってきたらどのようになるのでしょうか。病院に通院することが困難で訪問診療を希望したとします。しかし、なかなか訪問してくれる医者が見つかりません。訪問してくれる医者は、手一杯になっています。家族だけが病院に薬を取りに行って患者本人は医者にはかかれないという人も多いのが現状なのです。もしくは、介護保険の移送サービスと移送介助のヘルパーをお願いして、ようやく受診させているというのが精一杯でしょう。これも介護費用を負担できる人にしかできないことです。介護保険の1割負担が支払えないために、この方法も取れない人もいます。

医療法人社団と医療法人財団の合併・持ち分なし医療法人への移行促進措置
 ⇒これは、病院の営利化と合理化への布石!?!

 政府が支援しようとしているのは、医療・介護分野の営利化促進だけです。「医療・介護総合法」の中に、医療法人社団と医療法人財団の合併や持ち分なし医療法人への移行促進措置というものがあります。具体的にどうなるのか、すぐには分かりにくいというのが正直なところです。しかし、この法律とは別のところで医療や介護の「非営利ホールディングカンパニー型法人」「株式会社化」などの検討がされていることと関係があるように思われます。医療法人や社会福祉法人が一つの「非営利ホールディングカンパニー型法人」の傘下に入り経営していくようなイメージです。その為の布石として、法律にこのような内容が入ってきているのではないかと考えられます。
 政府は、医療・介護を民営化・営利化を促進させ、お金を払えば利用できるサービスを増やそうとしているのです。そして、「各自で選べるようにサービスを充実するので、自由に利用しろ」というのでしょう。公的責任は放棄し、「自助自立」で何とかしなさいというのです。これでは、お金のある人だけしか、必要な支援が受けられません。医療・介護の格差拡大が必至です。しかも、お金のある高齢者は、営利目的の医療・介護事業者に良いカモにされる危険性すらあります。

終わりに

 今回は、「医療・介護総合法」の医療の改悪、介護保険の改悪、そして営利化についてみてきました。実は、この法律には、これだけではなく「総合推進法」として主要に19種類もの法律の改正がおこなわれています。19個に分けて法案改正審議をしなくてはいけないような内容を1つにしてしまい、一度に行ってしまったのです。国民に分かりにくいばかりか、この法律の全体を理解している国会議員も皆無とさえ言われています。このような法律を「数の力」だけで強引に成立させる政府の強引なやり方に対し、強く抗議の声を上げたいと思います
 「医療・介護総合法」は、「プログラム法」の具体化の第一ステップであり、次も着々と進められています。そして、このような中、「尊厳死」法制化が具体的検討に上がって来ていることも最後に触れておきます。在宅介護になれば家族へ押し付けられ、介護される人は、社会的にも家族にもお荷物とされてしまい、介護される人もこんな人生は嫌だと尊厳死を選択させられる方向に動く危険性があります。本当に「尊厳ある生」を生きて、その上での尊厳死の選択ではありません。社会的に環境的に「死だけ」を選択させられてしまう状況が作られてしまっています。
 欧米諸国では、「尊厳死から」「安楽死」(自殺幇助)へと進み、今は「無益な治療」「過剰医療」という言葉で治療を受けさせない事態まで生じてきています。日本も同じ流れに乗ってしまうのではないかと危惧されます。「尊厳死」法制化の動きは、終末期の医療切り捨て・医療費削減のために国民の命の切り捨であり、まさに「医療・介護総合法」と目的は同じ方向にあります。終末期だけではなく、身体障害者、認知症、精神障害者、知的障害者などと枠が広められていくことになるのではないかと危惧されます。
 格差なく誰もが平等に尊重され生きる権利があります。医療・介護の切り捨て、営利化ではなく、公的責任において守らなければいけないものだと思います。公的責任の放棄ではなく充実です!それこそが今、国民が求めていることではないでしょうか。

「医療・介護総合法」は、政府の目指す社会保障破壊の第一歩に過ぎません!
「自助自立の精神」「自己責任」を人民に押し付け、
生存権がないがしろにされていく危険性があります!
人々の命、生存権を守るための闘いを続けていきましょう!

2014年6月23日

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